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生活保護の思い出 2

生活保護担当はきつい業務で、私が働いていた役所では3Kの一つと言われていました。あと二つは税金徴収と土木関係の用地取得です。あくまで現場の対住民業務の中の3Kであり、仕事の忙しさでは特定の企画や管理系のセクションのほうが大変ですが、対住民業務はその内容次第ではストレスが半端ないです。

私が生活保護を担当していた当時は長い不況の影響もあり、業務もどんどん大変になっていってました。同期採用で税金徴収と土木関係の用地取得に配属された人たちの話を聞く限り、当時は生活保護担当が3Kの中でも一番きつそうでした。


私はお役所に行政職で採用されました。行政職とは一番採用が多いタイプの事務系の公務員の職種です。一方福祉職採用といって福祉系の職場ばかり配属される専門職種もありました。うちの役所の生活保護担当は行政職の人と福祉職の人が半々程度配属されてました。

ところで公務員が特定の福祉の仕事をするには大学等である単位を取得しておくことが必要とされています。それが社会福祉主事の任用資格というもので、私は運悪くその単位を取得してしまっていたため、配属されてしまいました。といってもその単位はたったの3科目で、科目の選択範囲も広いため法律経済系の学部を卒業するとかなりの確率で社会福祉主事の任用資格に該当するはずです。

ただ生活保護業務は危険が伴うこともあるので人事配置上、行政職の女性は配属されないよう配慮されてました。福祉職の女性は専門的職種として採用されていることもあるからでしょうが、配属されてました。


福祉職の人は児童相談所から生活保護へ異動してきた人が多かったですが、早く児童相談所に戻りたいとみんな言ってました。今ほどでないにしても児童相談所は当時も忙しかったはずです。それなのに児童相談所に早く帰りたいと言わせるほど生活保護はストレスの多い職場でした。(現在だと児童相談所の方がきつい職場になっていそうですが…)

私の係は5人の係でしたが、私と同じタイミングで配属された30代半ばの主任は配属数か月で精神的にまいってしまい、その後2年出勤できず、復帰のタイミングで他部署へ異動していきました。その主任は前は管理セクションでかなり忙しく活躍されていたのですが、そういうそれなりに仕事ができる人でも過剰に負担になってしまうのが生活保護で、それは業務量というより業務内容が非常に特殊な接客業だからです。

事務系の公務員の仕事の多くは役所でデスクワーク…だと思いがちですが、生活保護担当はあまり自分のデスクにいません。多くの時間は生活保護の家庭を訪問しています。若くて就職指導する必要がある生活保護受給者は毎月訪問、高齢者で就職指導できない生活保護受給者は3か月に1回訪問など受給者の状態によって訪問頻度が決められています。

この訪問は家庭の様子を調査するのが目的の一つでもあり、もちろん最初に生活保護を申請する際にも訪問します。訪問はほとんど担当者一人で行います。問題行動が予想されるケースでは上司を連れて二人で行く場合もたまにありました。

生活保護の受給が認められる・認められない、継続できる・打ち切られるのでは手元に入ってくるお金が全く違ってきます。相手にするのは人格的に問題がある人も多く、たった一人で相手の家という密室空間に入って金銭の話をすると揉めて身体的危険を感じる事態が生じることも多いのです。

生活保護でもらえる金額について、住む地域で基準が違いますが、私の地方では生活費が一人あたり毎月約7万円と、プラス住宅費と医療費などが支給されてました。収入、たとえば年金収入が月3万円あったら差額の4万円が支給されます。ちなみにこの月7万円という額は国民年金の満額支給額より多いということがよく指摘されています。

住宅は地方だったのでだいたい親から相続した持ち家か、公営住宅に住んでいる受給者が多かったです。地方の公営住宅の家賃は高くないので、支給される住宅費で全額賄えます。医療費は本人負担なく、全額生活保護から支払われます。


続きます

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